土木学会 環境工学委員会

上下水道における
IoT・ICT・AI活用小委員会

AI・IoT・ICTなどのデジタルリテラシーを高めることで,水業界でのデジタルイノベーションを推進

2050年に向けたデジタルwater戦略の作成と提言

先端のデジタル技術の動向の把握と連携

▼ 活動趣旨 ▼

  人口減少と技術後継者不足に加えて、整備した施設や管路の老朽化が進む中、上下水道運営の持続可能性が危ぶまれている。加えて、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて、国内の総CO2排出の1.5%を占める上下水道分野の構造転換は不可避であり、大幅な省エネと創エネを達成しうる技術・管理に関するイノベーションが求められている。一方で、官民連携により民間企業が有する技術やノウハウを活用した運営も進んでおり、近年では産業セクターや行政の境界を越えた広域コンセッション事業も始まっている。今後、官民連携をさらにアップデートするためには、個別技術のイノベーションが必要であると供に、経営・運営の合理性の追求が必要となる。

  上下水道の産業では、上述したように国内で培った技術システムの海外展開も期待されている。水と衛生分野においては、我が国は世界で有数の支援国であり、これまで多くの国に技術および資金支援を展開してきた実績を有する。今後、インドや東南アジア諸国が経済発展する中で、公害を乗り越え、上下水道インフラを整備してきた我が国の経験と技術がこれれらの国に対しても役に立つものと期待されている。

  国外のインフラ業界では、個別技術の最適化から逸脱し、デジタル技術を活用したシステム全体の最適化ソリューションビジネスが活発化しつつある。具体的にはドイツの製造業では、制御システムの規格を統一化することで、データの蓄積・利活用を促している他、電気や機械だけでなく、作業員の動きや体調なども組み込んだオープンプラットフォームの構築を目指した「CATENA-X」プロジェクトが進行中である。上下水道管理を担うシーメンスも本プロジェクトに参画しており、途上国におけるインフラ管理に、プロジェクトで開発・構築したIoT/ICTプラットフォームを展開することが計画されている。今後は、水インフラ管理基盤システムの標準化とシェアの争奪が世界で繰り広げられることが予想され、日本でも「水×デジタルイノベーション」による新しいサービス展開が期待されている。

  我が国では、個別の環境技術や通信・制御技術に優れる一方で、管理・運営にあたっては各企業や業界団体の個別プラットフォームが乱立している状況にある。各プラットフォーム間の連携は難しく、新規業種による参入が難しだけでなく、現場のニーズに合わせてカスタマイズが必要なため、高価かつカスタマイズ性に乏しいシステムになりやすい。また、データを活用したシステム開発では、データの量と質が極めて重要であり、統一したプラットフォームを構築出来ない状況においては、我が国は他国と比較して開発に必要となるデータの収集に多くの時間がかかることが懸念される。

  少子高齢化社会をいち早く迎える日本において、高度な水インフラ管理・運営を持続的に継続することに加え、日本が保有するインフラの管理・運営を「ノウハウパッケージ」として海外展開するためには、IoT、ICT、AIなどの最新のデジタル情報技術を活用した管理・運営システムへの構造展開が不可欠であると考える。

本小委員会の活動目的

1.AI・IoT・ICTなどのデジタルリテラシーを高めることで,水業界でのデジタルイノベーションを推進

2.2050年に向けたデジタルwater戦略の作成と提言

3.先端のデジタル技術の動向の把握と連携

活動内容 ▼

2023年度の活動内容は、以下の通りである。

1. 講演会:6月に情報工学の専門家による講演会を開催予定

2. 提言に向けたとりまとめ:隔月に委員会を開催し、技術の整理と論点を整理する

3. 情報発信:論点が整理できた時点で、土木学会会員に向けた発表会を開催

4. 企業ヒアリング:論点の整理に向けて、企業の課題と技術、先進事例を調査

幹事委員

山村寛(委員長:中央大学)、橋本崇史(幹事長:東京大学)、後藤光彦(日水コン)、佐藤久(北海道大学)、安田将広(日本下水道協会)、川崎達(株式会社NJS)、飛野智宏(東京大学)、富永昌伸(株式会社日水コン)、原宏江(金沢大学)、西村文武(京都大学)、小松一弘(信州大学)、鈴木昭弘(北海道科学大学) 順不同

お問い合わせ先

環境工学委員会 上下水道におけるIoT・ICT・AI活用小委員会 事務局

橋本 崇史 (hashimoto@env.t.u-tokyo.ac.jp